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銀二貫/高田郁

銀二貫

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この胸打つものは何だろう。
商売というものへの姿勢だろうか。
仕事への真摯な態度だろうか。
周りの人々の人柄だろうか。

そう全て関係している。
けれど、それらをまとめているものは、「思い」だ。
しがみついてでも叶えたい、なんとしてでも成し遂げたいという純粋な思い。
それを支える人への思い。
絡まり合って、物語を押し進めていく。


寒天・心太というものを商う上方の問屋という設定も新鮮だったし、表題となっている「銀二貫」という言葉も繰り返しでてくるなかで、その重み・意味がよりおもくなっていく。

読んだ後、とても爽やかな気持ちになった。
好きな時代小説家がまた一人増えた。
ここ何年かの時代小説のなかで、私のベストな一冊。
既刊の他のものも読みたくなった。

※評価は個人的な感想です。
☆☆☆☆☆(満点)
# by bookbook_hello | 2010-02-28 21:11 | 和書・時代小説

運命の貴族となるために(マスターの教え)/ジョン・マクドナルド

運命の貴族となるために

自己啓発の本は苦手であまり読みませんが、人生の指標のように読み返している本が何冊かあります。
その内の一冊、運命の貴族となるためにを読み返しました。

年末から年始にかけて、気持ちを引き締め自分を見直す為に読み返すのですが、その度に言葉に発見があります。
成長するごとに心に残る言葉が違うんですね。

文章自体は短く、読みやすいです。
作者・ジョンマクドナルドは謎の人物でどういった人物なのかよくわかっていません。
もしかしたら、風のように現れるマスターその人なのかもしれません。

運命の貴族となるために(マスターの教え)/ジョン・マクドナルド_e0150705_20571125.jpg


おすすめ度
☆☆☆☆☆(満点)
※評価は個人的な感想です。
# by bookbook_hello | 2010-01-07 21:03 | 経営

月と菓子パン/石田千

月と菓子パン


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女性の視線を色濃く感じるエッセイがすきです。
小堀杏奴。
幸田文。
武田百合子。
サバサバとしながらも、優しい視線が読むのに疲れません。

そんな女性作家のエッセイがお好きなら、この石田千の「月と菓子パン」はお勧めです。

作者のものの見方が面白く、そんな情景が浮かぶ文章で描かれています。
文章も漢字やひらがな使いが繊細で、文自体にもセンスを感じます。

お茶漬けを食べる様にサラサラと読めて、読んでいるとブラリと夕方の街に繰り出したくなります。
特にお酒や銭湯の話を読むと、そのまんま真似してみたくなりました。
久しぶりに大きなお風呂に入って、湯上がりにふらっと居酒屋にはいってチビリとお酒を飲みたくなるのです。

飾らない人柄と、人と町の営みが素朴に描かれているとても良いエッセイです。

月と菓子パン/石田千を購入される方はこちからどうぞ。

おすすめ度
☆☆☆☆★
※評価は個人的な感想です。
# by bookbook_hello | 2010-01-06 20:50 | 随筆・日記・エッセイ

蜜のあはれ/室生犀星

久しぶりに良い本に出会ったので、随分と久しぶりではありますが更新を(もう誰も見ていないかもしれませんが・・)。

蜜のあわれ
蜜のあはれ/室生犀星_e0150705_20573751.jpg


室生犀星の「蜜のあわれ」は、随分前に読んでいましたが、写真が加わる事で、こんなに水水しく生まれ変わるとは驚きでした。
とくに金魚の写真は素敵です。
艶かしく、甘美な世界をとても表現しています。

私は物や動物が擬人化する小説の中で、この「蜜のあわれ」と、我が輩は猫であるが特に好きですが、特に「蜜のあわれ」は、ヒロインの金魚の少女自身が作者によって擬人化している事をとてもよく自覚しているのが面白いです。

会話だけで進む物語も、時間の経過や誰が話しているのか多少混乱することもありますが、とても新鮮に読めます。


とても素敵な物語。
甘美な写真とともにいかがでしょうか。

蜜のあわれ

おすすめ度
☆☆☆☆★
※評価は個人的な感想です。
# by bookbook_hello | 2009-12-18 21:06 | 和書・小説

ちいさなちいさな王様

想像力が衰えていくことを意識したことがありませんか?

心当たりがある方で、失ってしまったなにかをもう一度見つけたいなと思われた方にぴったりの本があります。
それがちいさなちいさな王様です。

ちいさなちいさな王様_e0150705_2194433.jpg


沢山の出来事が重なって現実に押しつぶされそうになったり、とても嫌な気持ちになる事が続いたら、私はこの本を手に取ります。

挿絵を描いているミヒャエル・ゾーヴァの、倒錯したような世界観も想像を膨らませてくれます。

そう。
これは心の処方箋。
想像したことは、事実なのです。

想像は、現実や真実とは違っているかもしれませんけど、今言われている本当の事だってどうでしょう?地動説と天動説のように時代によって変わるものもあったわけですしね。
専門的な「本当の事」はその道の方にちょっとおまかせして、子供の頃のように毎日を楽しく過ごす為の「想像の仕方」を憶えて(思い出して)、あなただけの事実をつくってみませんか?


これは、大人の為の絵本のようなもの。
素敵な何かがある本です。

おすすめ度
☆☆☆☆★
ちいさなちいさな王様
# by bookbook_hello | 2009-11-17 21:08 | 洋書・小説


「私」の本棚、覗いてみませんか?   夜長に読んだ本で一句。毎週水曜日+不定期更新


by bookbook_hello

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